縄文人と私達 〜 注23

公開: 2022年9月27日

更新: 2022年9月27日

注23. 遺体をミイラにする風習

死んだ家族の遺体をミイラにして保存する風習は、エジプトだけでなく、数多くの地域にありました。アイヌの場合も、家主が死ぬと、その妻が喪に服し、夫の亡骸(なきがら)をミイラにする方法を採っていた集団があったそうです。この場合、完全なミイラを作ることに失敗した場合、その仕事を行った妻は、殺されて、土葬されたと記録されています。沖縄でも、死んだ人の遺体は、小さな小屋のような墓に安置しておき、一定期間放置し、遺体が白骨化すると、その骨を海の水で洗い、墓に埋葬するやり方が残っています。これらは、縄文時代の「もがり」が発展した習俗だと考えられます。

参考になる読み物

瀬川拓郎 著、「アイヌ学入門」(2015)、講談社 現代新書 95ページ〜96ページ